個人事業者が納める税金についての話

税金について_小林安夫税理士事務所
ここでは、税金のことについて整理してみましょう。 個人事業者が納める税金は、「所得税」、「住民税」、「消費税」、「個人事業税」といったものが挙げられます。この中でも代表的な「所得税」と「住民税」についてご説明いたします。

「所得税」は会社や個人に対して課される税金で、簡単に言えば、一年間の収入から経費や控除額などを差し引いた「所得」に対してかかる税金のことです。
所得税は、納税者自らが税務署へ所得を申告し納付するという「申告納税方式」で納めます。

「住民税」は、市町村民税と都道府県民税の総称をいいます。
基本的に前年の所得額に対して課税されます。従って、所得税と住民税とは深く関わり合っています。

所得の種類はいくつかありますが、皆さんに関係のありそうなものは以下の3つとなります。

1.給与所得
2.事業所得
3.雑所得

※この他に不動産所得や譲渡所得、退職所得など、細かく挙げると10種類以上もあります。

1.給与所得は、サラリーマンが勤務先から受ける給料や賞与などの所得のことで、実際はここから給与所得控除額を差し引いたものをいいます。

2.事業所得は、農業や漁業、製造業その他サービス業など、その事業により発生した所得のことで、こちらについても必要経費を差し引いた額になります。

3.雑所得は、多種類ある所得の中で、いずれにも当てはまらない所得のことです。
具体的には、公的年金、原稿料や印税、講演料などが該当します。
公的年金については、公的年金等控除額を差し引き、それ以外は必要経費を差し引くことになっています。

以上、所々に「控除額」というキーワードが出てきますが、控除額というのは、各個人の状況により異なるもので、扶養人数や医療費負担、災害などにより損害を受けた場合など、様々な条件を考慮し、金額が決められます。
従って、所得税額は全ての所得から経費や各個人により異なる「控除額」を差し引いた金額に、税率を掛けて計算します。

それでは、更に詳しく個人事業者の税金について、以下の2パターンを例にご説明していきます。

1.個人事業の方(インターネットビジネスやお店など)

一年間に生じた事業の売上から必要経費を差し引いたものが「事業所得」となり、この金額に税率を掛けることで、所得税を算出します。

2.「サラリーマン」兼「起業家」の方(給料以外に副収入がある)

サラリーマンでありながら副業をするというのはよく耳にするのではないでしょうか。
このような方は、会社からもらう給与がメインなので、「給与所得」という区分になります。
そして、ネット副業やコラムやエッセイを書くなどのいわゆる「副業」で得た収入については、「雑所得」として区分されます。従って、「給与所得」と「雑所得」の両方を申告する必要があります。(但し雑所得の場合、必要経費を差し引いた額が20万円以内であれば、申告する必要はありません)

また、副業の規模がそこそこ大きく、継続した一定の収入がある場合は「事業所得」扱いとして申告するといった選択もできます。
こうすることで、例えば必要経費の範囲が広くなったり、事業所得の損失を給与所得と相殺できるなど、有利に働くことがあるからです。
また、青色申告をすることで、事業所得の損失は翌年以降の利益でも相殺できます。